大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)4978 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人鈴木熊七の上告趣意について。

所論は結局事実審の裁量に属する量刑を非難するに帰し、刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。

被告人の上告趣意について。

原審が事実認定の資料とした証拠中に、被告人の司法警察員に対する第四回乃至

第七回供述調書の存することは、所論のとおりである。しかし、該供述調書におけ

る被告人の供述が、所論のように取調の衝に当つた警察員の強制と誘導とに基ずく

ものであることを認むべき証跡は記録上存在しない。(第一審において検察官から

右供述調書につき証拠調の請求があつた際にも、被告人の弁護人はこれを証拠とす

ることに同意しているのであり、その他被告人側から前示調書における供述の任意

性を争つていない。)また、原判決は所論のように被告人の自白を唯一の証拠とし

て判示事実を認定したものではなく、所論自白の外に数多の証拠を綜合認定の資料

に供しているのである。そしてそれらの証拠はいずれも右自白を補強するに十分で

あり、結局原判決挙示の証拠を綜合すれば、原審の事実認定はこれを肯定するに足

るものと認められる。されば所論憲法違反、訴訟法違反の主張は、その前提を欠く

ものであつて、畢竟論旨は事実審が適法になした事実の認定を非難するに帰着し、

上告適法の理由に当らない。なお記録を精査しても本件では刑訴四一一条を適用す

べきものとは認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条一項に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり

判決する。

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昭和二八年三月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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