大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)6762 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人能勢克男、同小林為太郎の上告趣意について。

第一点は、判例違反をいうが、原判決の認定は所論(1)引用の大審院の判例の

趣旨に合致し毫もこれに反する判断をしていないから、所論(1)はその理由がな

く、同(2)の所論は何等判例を示していないから、上告適法の理由と認め難い。

同第二点は、違憲をいうが、原審の事実認定又は量刑を非難するに帰し、適法な

上告理由と認め難い。

弁護人岡林辰雄、同青柳盛雄の上告趣意について。

原判決は、第一審判決の量刑を失当としただけで、検察官の控訴趣意書記載の事

項を逐一是認、援用した趣旨でないことは、その判示に照し明らかであり、その他

被告人の人種、信条、社会的身分等により、量刑上差別したと認められないから、

所論第一点の主張はその前提を欠き採用できない。次に、憲法三七条一項の趣旨は、

個々の事件の内容、実質が当事者から見て公正、妥当でないと思われる裁判を指す

ものでないことは当裁判所屡次の判例で、これを変更する必要を認めないし、また、

原判決が、原裁判所の内心の良識と道徳感に従つていないと認むべき資料もないか

ら、所論第二点も採用し難い。更らに原判決が所論「思想的転向」の有無によつて

量刑上差別したと認むべき根拠も認められないから、所論第三点も前提を欠き採る

ことができない。なお、本件については刑訴四一一条を適用すべきものとも認めら

れない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年八月二七日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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