大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(オ)98 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告理由第一、二点について。

原判決が、上告人等は第一会社との間に、本件貸借関係の存続は同会社に従業員

として在職する期間中にかぎり、退職する場合は直ちにこれを明渡すことの暗黙の

合意のあつたものと認定したことは、当審においても是認することができる。それ

故、上告人等がすでに第一会社を退社しその従業員である地位を失つた以上は、右

貸借関係は終了し同会社に対しその占有する各建物を明渡す義務が生じたとする原

判示も正当である。上告理由第一、二点は、かかる暗黙の合意がなかつたものとの

仮定を前提として判示した点に関するものであるが、すでに前述のように暗黙の合

意が認められる限り、仮定論に対する非難は適法な上告理由に当らないものという

べきである。

第三点について。

原判決はその挙示する証拠により被上告会社は第一会社の判示法律に基く企業整

備計画によつて昭和二四年九月一日設立された第二会社であつて、その際本件建物

の所有権は第一会社の現物出資によつて被上告会社に帰属したものであることを認

定したものであつて、右証拠によればそのような認定は当審においても是認できる。

されば被上告会社は所論訴提起のときは本件建物の所有権者であつたのであり、本

訴請求の原因はこの所有権に基づき上告人らの不法占有を排除することを求めるも

のであるから、所有権の存在が認められる限り、所有権移転登記の有無は、訴その

ものの適否に何等影響ないものといわなければならない。

以上の通りであるから論旨はすべて「最高裁判所における民事上告事件の審判の

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特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれに

も該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認

められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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