最高裁判所第一小法廷 昭和27(オ)991 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
(一) 上告人A1は、本件記録によつても明らかなように、第一審以来自己の
辞職願が上司の強迫に因るものであると主張し、この事実を理由として、本件依願
免職処分の取消を請求しているものなる処、原判決の引用している第一審判決の理
由によれば、原審は同上告人の右主張事実を証拠がないものとして否定し、右請求
を排斥しているだけであり、同上告人の右依願免職処分が所論警察官吏及び消防官
吏身上規程一六条に違反することを理由として為された適法のものとは判断しては
いないのであるから、論旨違憲の主張は、同上告人に関する限り、その前提を欠き
採用するを得ない。
(二) 右第一審判決は(イ)上告人A2は同僚と共に文芸雑誌「D」の発行を
計画し、その第二号の発行に当つては、所論上司の事前検閲をうけなかつた事実を
当事者間に争ないものとして確定し、次いで判示(ロ)、(ハ)の各事実を証拠に
よつて認定した上右(イ)の事実は前掲身上規程一六条に違反し警察法五三条、五
〇条、昭和二三年三月二日東京都条例二三号一条、官吏懲戒令二条一号に、(ロ)
の事実は同令二条二号に、(ハ)の事実は同令二条一号にそれぞれ該当するものと
判断し、次いで同上告人に対する本件懲戒免職処分は、その挙示する証拠に基づい
て右(イ)、(ロ)、(ハ)の各事実を理由とするものであると認定し右各事実が
各個独立に右懲戒免職処分を法律上正当付ける理由とするに足るものと判断したも
のであることは、原判決の行文上明白であり、当審も右(ロ)、(ハ)の点に関す
るその判断は正当であると考える。果して然らば、本件懲戒免職処分は、右(イ)
の事実を理由とする部分はともあれ(ロ)、(ハ)の事実を理由とするだけで適法
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正当のものであるから、右懲戒処分を不法のものとしてこれが取消を求むる本訴に
おいては右処分が(イ)の事実を理由とする場合の合憲性を特に審究するを要しな
いものといわなければならない。従つてそれが違憲であることを抗争する本論旨は
結局原判決の結果に影響を及ぼさないものであつて適法な上告理由ということがで
きない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、九三条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 真 野 毅
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
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