大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28(あ)319 判決

主 文

原判決及び第一審判決を破棄する。

本件を松山簡易裁判所に差し戻す。

理 由

高松高等検察庁検事長市川季熊の上告趣意について

昭和二二年五月二日勅令第二〇七号外国人登録令附則二項に「この勅令施行の際

現に本邦に在留する外国人は、この勅令施行の日から三〇日以内に、第四条の規定

に準じて登録の申請をしなければならない」と定めている「三〇日以内」というの

は、単なる登録申請義務履行の猶予期間と解すべきであるから、その義務は、所定

期間の経過を以て消滅するものでなく、当該外国人が本邦に在留する限り、これを

履践する迄継続するものであると認めなければならない。従つて同附則三項によつ

て準用される同令一二条二号の登録不申請罪に対する公訴時効の進行は、所定期間

の経過の時から起算すべきものではなく、その後その義務の履践によつて義務が消

滅した時を標準として起算するを相当とすることは、当裁判所昭和二七年(あ)第

七五三号同二八年五月一四日当小法廷判決の判示するとおりである。

然るに第一審判決並びに原判決は、右と異つた見解に立ち、本件登録不申請罪の

公訴時効の進行を被告人が現実に登録申請をしてその義務が消滅した昭和二五年一

一月二五日から起算せず、前記三〇日の猶予期間を経過した昭和二二年六月一日か

ら起算すべきものとし、結局本件登録不申請罪の公訴時効は、昭和二六年七月三〇

日の本件起訴前たる昭和二五年六月一日、三年の期間経過により完成したものであ

るから、被告人を免訴すべきであると判断している。

それ故に、前記当小法廷の判決に照し、第一審判決並びに原判決は失当であり、

論旨はその理由があつて原判決及び第一審判決は破棄を免れない。

よつて刑訴四一〇条、四一三条本文に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとお

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り判決する。

検察官 佐藤欽一出席

昭和二八年九月一〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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