大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28(あ)3398 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人元木守の上告趣意は憲法三七条二項違反を主張するけれど同条項は必ずし

も裁判所に被告人又は弁護人の申請したすべての証人を取調べなければならない義

務あることを規定したものでないと解すべきことは当裁判所大法廷の判例とすると

ころである。そして原審で弁護人が証人A等の取調を請求し、原審がこれを却下し

たことは所論のとおりであるが、控訴審では裁判所は被告人若しくは弁護人から請

求があつても必要でないと認めれば事実の取調をなす義務がないばかりでなく、前

示証拠の取調請求については第一審の弁論終結前に取調を請求することができなか

つたものであることに関し疎明がなされていないのであるから原審が所論の証拠取

調の請求を却下したからとてこれを違法視することはできない。(刑訴三九三条一

項参照)それ故論旨は理由なきこと明らかである。また記録を調べても同四一一条

を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年一月一四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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