大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28(さ)3 判決

主 文

原判決を破棄する。

被告人を罰金二千円に処する。

被告人が右罰金を完納することができないときは金二百円を一日に換算

した期間被告人を労役場に留置する。

理 由

検事総長佐藤藤佐の非常上告申立の理由について。

記録を調べてみると、原審は、先きに第一審大阪地方裁判所が、昭和二六年三月

三〇日言渡した、被告人が昭和二五年一一月一四日午前八時頃Aと共謀の上、大阪

市a区b町c番地B紡績株式会社工場の塀を乗り越えて捺染工場及び漂白工場に無

断侵入したとの認定事実に対する有罪判決を科刑軽きに失するとの理由により破棄

自判し、被告人の右所為に対し、刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二条三条を適用

して、被告人を罰金一万円に処する旨の判決をなしたことは明白である。然るに刑

法一三〇条、罰金等臨時措置法三条によれば、住居侵入罪の罰金の多額は二千五百

円であるから、原判決は明かに法律に規定のない額の罰金刑を言渡したものであつ

てその審判が法令に違反したものといわなければならない。それ故本件非常上告は

その理由がある。

よつて刑訴四五八条一号本文により原判決を破棄すべきところ、右判決は被告人

のため不利益であるから、同号但書に従い被告事件について更に判決をすることゝ

し、原判決の確定した事実に対し法令を適用すると、被告人の所為は、刑法一三〇

条、六〇条、罰金等臨時措置法二条、三条に該当するから、所定刑中罰金刑を選択

し、その金額の範囲内において被告人を罰金二千円に処し、罰金不完納の場合の労

役場留置につき刑法一八条を適用して、主文のとおり判決する。

右は裁判官全員一致の意見によるものである。

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検察官 佐藤欽一出席

昭和二八年八月二七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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