大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28(オ)1284 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人本人、代理人の各上告理由。

論旨は、違憲をいう点もあるが、その実質は本件土地が、土地収用法七二条にい

わゆる近傍類地の取引価格等を考慮しないで、不相当な価格を以て、敢行されたも

のだという主張に帰する。そして原判決は第一、二審各検証の結果に基いて、本件

(一)(二)の土地がともに宅地不適当のものであると指摘した上、その事実とそ

の挙示する証拠とを綜合し、論旨にいわゆる純農地代、準宅地代等の関係をも考慮

に入れ、本件土地の補償価格を、坪当判示の金額を以て、右収用法にいわゆる相当

補償額であると判断したものであつて、しかも、原判決は、他面本件土地の近傍類

地の取引価格を、その挙示する証拠によつてかくかくと認定してこれを斟酌した上、

右補償額を相当と判断し、延いて本件収用審査会の決定を正当と判断したものであ

ることは、原判文上明らかであり、当審も右諸証に照し原判決の叙上認定を是認し、

原判決の判断を正当と認める。論旨は畢竟原審の専権に属する証拠の自由な価値判

断によつて為された事実認定を、非難するか或は独自の見地に立つて、原判決認定

の結果を徒に法令違反であると攻撃するもので採用できない。なお論旨は本件のよ

うな土地収用に当つては所有者の受ける精神的損害の補償及びその生存権保障をも

加味した補償でなければならないと主張するが、土地収用法にいわゆる補償の中に

かかる観点に立つた補償を包含するものとは到底解釈し難い。

その他の論旨は、すべて「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関す

る法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号ないし三号のいずれにも該当せ

ず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められな

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い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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