大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28(オ)167 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点、民法一一〇条にいわゆる第三者が代理人をその権限があると信

ずべき正当の理由を有したかどうかは、当該案件における諸般の具体的事情を斟酌

して判定することを要する。そして第三者に過失があつたか否かもその判断の一資

料に供することを要する。原判決がその認定した諸事情の下に本件上告人に注意力

の欠けていたことを認め、表見代理の責任を問い得ないものと判示したのは、相当

であつて原判決には違法のかどはない。所論引用の判例は本件に適切であるとは認

められない。論旨はそれ故採るを得ない。

同第二点、第三点の論旨は単なる訴訟法違反の主張であつて、すべて「最高裁判

所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一

三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関

する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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