大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28(オ)307 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人の上告理由について。

一、本件買収計画は登記簿上の所有名義人を真実の所有者と誤認したために樹て

られたというような単純な事件ではなく、上告人の所有権を奪取したものであると

の所論事実は、原判決の確定していない事実であるから、所論違憲の主張は前提を

欠き採るを得ない。

二、本件売渡行為中所論の部分は、所論の事情を無視してなされたものであると

の事実は、これまた原判決の確定していないところであるから、所論違憲の主張も

前提を欠き採るを得ない。

なお、政府が自作農創設特別措置法によつて農地を買収する場合は、単に登記簿

上の記載に依拠し登記簿の所有者を相手方として買収を行うべきではなく、真実の

所有者から買収すべきであるが、登記簿の記載は一応真実に合致するものと推定す

るを相当とするから、一応登記簿の記載に従つて買収計画を定めることは是認せら

るべきであり、真実の所有者が右買収計画に対し異議を主張した場合は計画実施者

において該事実を審査し、その真実の所有権の所在に従つて買収計画を是正すべき

であるが、右買収計画が異議訴願等なくして、確定し、買収令書の交付により買収

処令に対しても出訴期間内に訴訟の提起がなかつた場合には、それが登記簿の名義

人に対してなされたとの一事をもつて当然に無効のものであると解すべきでないこ

とは当裁判所の判例とするところである(当裁判所昭和二七年(オ)第一一三二号

同三二年九月一九日第一小法廷判決参照)。従つて、所論判例違反の主張も採るを

得ない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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