大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和28(オ)342 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

被上告人の本訴請求は昭和二四年三月一六日被上告人が上告人に対し金一〇万円

を弁済期同年五月一六日、利息月一割毎月払の約定を以て貸付けた消費貸借上の元

金及びこれに対する弁済期後たる同年一〇月二四日以降の約定利率たる日歩三三銭

による損害金の支払を求めるというのである。これに対して事実審において上告人

は唯「被上告人が貸金業者で昭和二四年五月法律第一七〇号貸金業等の取締に関す

る法律附則第二項に依り同年九月三〇日附を以て同条の規定に基ずく届出が受理せ

られた」との被上告人主張の事実を認めた外、その余の主張事実を否認し、単に被

上告人主張の消費貸借は訴外Dと被上告人との間に成立したものである旨附陳した

に止まり、何等弁済の抗弁等を主張した事跡は記録上認められないのである。

されば原判決が被上告人主張の消費貸借が本訴当事者間に成立したことを認定し

た上、本訴請求の範囲内で前示元金及びこれに対する昭和二四年一〇月二四日以降

支払済に至るまでの利息制限法所定の利率年一割の割合による遅延損害金の支払を

認容したのは正当であり、何等の違法もない。尤も記録によれば、被上告人は上告

人から約定利息及び約定利率による昭和二四年一〇月二三日までの遅延損害金とし

て金七二、八〇〇円の支払を受けた旨自陳していることを窺い得るのではあるが、

それは本訴請求とは直接係りのないところであり、前段説示の如く本訴請求にかか

る元金及び同月二四日以降の遅延損害金については何等弁済の抗弁等の主張された

事跡の認められない本件においては、かかる被上告人の自陳は全く無意義でありこ

の点について特に判断を与える必要は存しないのである。原審はこの被上告人の自

陳につき判示しているのであるが、それは無用の説示であり、その当否は原判決の

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結論を左右するものではない。この無用の説示を捉えて判例違反、法令違反を云為

する論旨は採るを得ない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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