最高裁判所第一小法廷 昭和28(オ)79 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
第一点について。
原判決は挙示の資料によつて本件二〇万円は敷金でなく、いわゆる権利金である
と認定したものであつて、右資料によればそのような認定が出来ないわけのもので
はない。論旨は畢竟原審の裁量に属する事実認定を非難するに帰し採用に値しない。
第二点について。
所論催告に定められた二日の猶予期間は短きに失するが故に右催告を前提とした
被上告人の契約解除の意思表示は無効のものと言わなければならないこと所論の通
りである。然し乍ら、原判決は右催告は催告そのものとしては有効のものとみるべ
く、従つてその後相当期間の経過によつて解除権を発生せしむるものと断定した上、
本件賃貸借を解除する意思表示を包含するものと認めらるる本件訴状が右催告後約
一一日を経過した昭和二七年五月一四日上告人に到達したことが記録上明かである
から本件賃貸借契約は右訴状送達と同時に有効に解除されたものであると做したも
のであることは判文上明白であり、そのような判断が出来ないわけのものでなく、
その点毫も所論の違法あることを認め得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
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