大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)1765 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人宮崎龍介の上告趣意について。

職業安定法六三条二号は、公衆術生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で

職業紹介等を行つた者又はこれらに従事した者を処罰する規定であり、昭和二七年

法律八一号により法律として効力を有する昭和二二年勅令九号二条は、婦女に売淫

をさせることを内容とする契約をした者を罰する規定である。両者は取締の目的及

び違反行為の内容、性質を異にするものであり、また、たとえ就業先が風俗営業取

締法及び同法施行条例等によつて許可され比較的設備や衛生等に注意されている貸

席営業であつても、実際的に売淫させて収益を図ることを当初からの約旨として周

旋料をとり、多数婦女を右営業に就職させる契約をした者は、職業安定法六三条二

号にいわゆる公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介を行

つた者に該当すると解するを相当とする。それ故に論旨は採ることを得ない。また

論旨引用の判例は本件に適切でない。その余の論旨は事実誤認の主張に帰し刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三〇年二月一〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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