大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)1877 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人富岡秀夫の上告趣意は公職選挙法二五二条一項の違憲であることを前提と

している。しかし、右公職選挙法の規定はその明文上明らかなように同条項所定の

公職選挙法違反の罪を犯した者が同条項所定の刑に処せられたということを法律事

実としてその者が同条項所定の期間公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を有

しないという法律効果の発生することを定めているに過ぎない。すなわち所論選挙

権及び被選挙権停止の効果は前示法律事実の存することによつて法律上当然に発生

するところなのであつて右刑を言渡す判決において該条項を適用しその旨を宣告す

ることによつて裁判それ自体の効力として発生せしめられるものではないのである。

現に原判決においても右条項を適用してはいないのであるから、仮りに右条項が所

論の理由により違憲であり無効であるとしても、選挙の実施に際し同条項該当者と

して選挙権及び被選挙権を有しないものとして措置された場合にその行政処分に対

しこれを云為するは格別、原判決に所論のような法令違反ありということはできな

い。されば論旨は上告理由としては不適法である。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和三〇年二月一〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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