大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)2607 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人笈川義雄の上告趣意第一点一は判例違反を主張するが、原判決は所論引用

の判例と相反するものでなく、これと合致するものといふことができ正当である。

原判決は第一審判決判示第一の譲渡事実を包括一罪としている。論旨はこれを包括

一罪と見るべきものではなく、結局併合罪であると主張する点は被告人にとつて不

利益な主張に帰し、上告理由として不適法なものである。

同第一点二は判例違反をいうが、本件起訴事実は数個の譲渡事実を一個の犯罪行

為と認めることのできる場合であり、訴因は特定されている場合であるから、所論

引用の諸判例はすべて本件に適切でない。それ故、論旨は採るを得ない。

同第二点は判例違反をいうが、その引用判例は本件に適切でない。しかのみなら

ずその実質は量刑の非難に帰し、上告適法の理由に当らない。また記録を調べても

刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年三月一七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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