大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)2917 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大沢愛次郎の上告趣意は憲法違反を主張するけれども、当裁判所大法廷の

判例によれば、犯罪の主観的要件に属するものについて(本件では所論知情の点に

ついて)の直接の証拠が公判廷外の被告人の自白だけであつてもその客観的構成要

件たる事実について他に証拠があり、右被告人の自白の真実性が保証せられると認

められる以上、それらの各証拠を綜合して犯罪事実の全体を認定しても憲法三八条

三項に違反するものでないと解せられているのである。(昭和二四年(れ)八二九

号同二五年一一月二九日大法廷判決、集四巻一一号二四〇二頁以下参照)、それ故

右と反対の解釈を前提とする論旨は採用することを得ない。また記録を調べても刑

訴四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて同四〇八条により裁判官全

員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年一二月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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