最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)3383 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人神川貫一の上告趣意中、被告人の搜査官、検事に対する自白調書は強要さ
れたものである旨主張する点は、これを確認するに足りる証拠はなく、従つて、こ
の点に対する違憲の主張は、その前提を欠くものであり、また、他に違憲をいう点
もあるが、その実質は、原審で主張も判断もない第一審における単なる訴訟法違反
を原審が看過したというに過ぎないものであり(しかも、第一審の証拠調手続には
所論の違法は認められない。)、その余の論旨は単なる訴訟法違反、事実誤認、量
刑不当の主張を出でない。
弁護人大竹武七郎の上告趣意(一)乃至(三)は、原審で主張も判断もない第一
審における単なる訴訟法違反の主張に帰し(第一審判決は、第一審において適法に
起訴及び追起訴され、適法に公訴の取消、訴因、罰条の追加、変更、撤回並びに整
理がなされ、且つ、被告人及び弁護人においても異議がなかつた詐欺並びに同未遂
その他の公訴事実(訴因)に対し為されたもので、所論の違法は認め難い。)、そ
の余は、判例違反をいう点もあるが、所論判例は本件に適切でなく、従つて、単な
る訴訟法違反、事実誤認、量刑不当の主張を出でないものである。されば、各論旨
は、すべて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条
を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
昭和三〇年三月一七日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔
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裁判官 真 野 毅
裁判官 岩 松 三 郎
裁判官 入 江 俊 郎
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