大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)3555 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中村信敏の上告趣意第一点は憲法違反をいうけれども、その実質は原判決

の事実認定が証拠によらず、または証拠の取捨判断を誤つてなされたものであると

の単なる訴訟法違反を主張するに帰着し、同第二点は判例違反をいうけれども、原

判旨は引用の判例と同旨に出でたものと認められるばかりでなく、原審は被告人等

が所論物件を自己の所有物同様に利用し若しくは処分する意思で被害者から取上げ

た事実を認め被告人等に不法領得の意思あるものと判示しているのでありこの判示

は首肯するに足る。所論原判旨は右の判示に続いてなした仮定的説示に外ならない

のであり、所論は結局原判決の結論を左右するに足るものではなく上告適法の理由

に当らない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年一〇月六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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