大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)3977 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人古明地為重の上告趣意は憲法違反を主張するけれども、憲法第二五条第一

項は、国家は国民一般に対して概括的に健康で文化的な最低限度の生活を営ましめ

る責務を負担し、之を国政上の任務とすべきであるとの趣旨であつて、この規定に

依り、直接に個々の国民が国家に対して具体的現実的に斯る権利を有するものでは

ないこと(昭和二三年(れ)第二〇五号同年九月二九日大法廷判決、集二巻一〇号

一二三五頁)、そして被告人に実刑を科する為めその家族が生活困難に陥るとして

も、其の判決を以つて憲法第二五条に違反するものと言うことの出来ないこと(昭

和二二年(れ)第一〇五号同二三年四月七日大法廷判決、集二巻四号二九八頁)は

当裁判所の判例において示したとおりであるから、所論違憲論は採用し難くその余

の論旨は刑訴第四〇五条の上告理由に当らない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年五月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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