大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(オ)768 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

いわゆる隠れたる取立委任裏書によつて、被裏書人に交付された手形が裏書人に

返還された場合には、裏書人は必ずしも前記隠れたる取立委任のための裏書を抹消

してその形式的資格の回復をはからなくとも、前記事実関係を証明することによつ

ても手形上の権利を行使しうると解するを相当とする。本件においては、原審は、

被控訴人(被上告人)が本件手形を取立委任のため株式会社D相互銀行に裏書譲渡

したこと、同手形は同銀行において支払呈示を求めて拒絶されたこと、その後被控

訴人(被上告人)は右手形を右銀行から返還を受けたことを認定しているのである

から、原判示は正当であつて、所論は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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