大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(オ)937 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨第一、二点について。

しかしながら、所論乙第三、四号証の各記載のみからは、必ずしも、訴外D町へ

の売渡処分が、実際上本件牧野を小作牧野とする結果を生ずるものとは認め得ない

ばかりではなく、原判決の引用した第一審判決が説示したように、右乙号各証によ

れば、右D町は、本件牧野買受当時町民全般の利益を計り、条例を制定し、牧野運

営委員会を設置し、本件牧野管理維持収益施業の計画を樹立している事実を認め得

ないわけではないから、本件牧野を、右D町が自ら経営使用する計画がなく、従つ

て本件牧野のD町への売渡処分が、自創法一条に掲げる自作牧野の創設という目的

に反するものであるという論旨は、採用できない。

論旨第三点について。

しかしながら上告人を差しおいて、訴外D町を売渡の相手方として選んだことが、

農業に精進する見込のない者を、売渡の相手方として選んだとの理由で、裁量を誤

つた違法の処分というを得ないばかりでなく、原審は本件当事者双方の主張立証を

勘案した上で、本件処分を自創法の目的に反しない旨判断したのであり、その判断

は正当と認められるから、原判決が自創法一条の規定する目的を看過して、同法四

一条の解釈を誤つた違法ありとする論旨も亦採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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