大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(あ)2010 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人本木国蔵の上告趣意第一点について。

所論昭和二七年一一月一四日附被告人の検察官に対する供述調書の自白は、一件

記録で明らかなように被告人が同年一〇月三〇日裁判官の逮捕状によつて逮捕され、

翌一一月一日勾留状の執行により勾留されてから一五日しか経過しない日時になさ

れたものであるから逮捕から自白までの期間、事件の性質等に照し当裁判所大法廷

屡次の判例の趣旨に徴し不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白とはいえない

し、また、所論引用の判例は本件に適切でない。それ故、所論は採用できない。

同第二点について。

一件記録によれば、所論拷問の事実並びに自白が任意にされたものでない点につ

いては、原審は、記録のほか被告人並びに多数の証人を自ら取り調べその結果控訴

趣意第一点について説明しているようにこれを否定したものであること明白であつ

て、その否定の判断については、経験則違背その他の違法は認められない。それ故

本論旨も採ることができない。

同第三点について。

記録によれば、第一審判決は、所論自白のほか、多数の補強証拠を綜合して判示

犯行を認定したものであること明白であるから、所論違憲の主張は、その前提を欠

き刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和三一年二月一六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

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裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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