大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(あ)838 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松本重夫の上告趣意第一点は判例違反を主張するが、原判決は、刑法九六

条ノ三、二項の「『公正ナル価格』とは公正なる自由競争によつて形成せられるべ

き落札価格をいい、公売物件に対する価値判断の評価ではない」と述べて「最高裁

判所判例集七巻一二号二四一八頁以下参照。)所謂公正なる価格と評価価格とはこ

れを区別すべきものである旨を判示し、また「本件差押物件の評価価格二百三十万

円をそのまゝ本件公売の公正なる価格と認めたものでないことは、(第一審判決の)

判文上これを窺うに十分である」と判示し、そして、「若し本件において公正なる

自由競争によつて入札が行われたならばその落札価格はおそらく二百三十万円前後

におちつくことも考えられるのであつて、少くとも二百万円位でないことはこれを

窺うに十分である」と判示した上、本件犯罪が公売入札における公正なる価格を害

し且つ不正の利益を得る目的をもつてなされたものというほかない旨を認定してい

るのであるから、原判決は何ら所論判例に違反するものではない。

同第二点は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よつて、同四〇八条により裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和三〇年一〇月六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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