大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(オ)322 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は臨時農地等管理令七条の二による地方長官の許可なくしてなされた農地の

譲渡等が無効たることを前提とする。しかし、かかる許可を受けないで所有権の移

転を目的とする契約をした場合、民事上必ずしも無効でないと解すべきことは当裁

判所の判例とするところである。(昭和二八年九月一五日第三小法廷判決、判例集

七巻九号九四二頁、昭和二九年七月一六日第二小法廷判決、判例集八巻七号一三七

三頁以下参照。)それ故原審の確定した事実関係によれば、訴外Dは昭和一九年末

か二〇年初、既に所論(イ)乃至(ニ)の本件農地の所有権を取得していたもので

あり、該土地につきなされた自作農創設特別措置法による買収、売渡の処分は法律

上は無意義たるに帰し、原審が同訴外人を右農地の売渡によつて自作農になつたも

のではないと判示したことは結局正当であり、原判決には所論のような違法はなく

論旨はいずれも採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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