大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(オ)425 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一、二点。

所論土地については、被上告会社は上告人に対し、昭和二五年七月頃、一時的使

用を許したにすぎない、という原審の認定は、原審挙示の証拠から十分首肯するこ

とができる。それ故、原判決には所論のような違法はなく、論旨は採用できない。

同第三点。

被上告会社が、上告人をだましたというような事実は、原審の認めていないとこ

ろであり、原審認定の事実関係の下においては、なんら信義誠実に反する点は認め

られない。その他論旨は原審の認定に副わない事実を前提として原判決を非難する

に過ぎないものであるから、採用することをえない。

同第四点。

所論原判決理由後段は、単に、上告人が本件土地の賃借方を希望し、昭和二五年

一二月に賃料として二万円を所論のDに支払つたが被上告会社はその受領を拒絶し

て同人をして返還せしめたという事実を認定しているだけで、なんら当事者間に賃

料についての合意が成立した事実を認めたものではない。また、右の如く一応二万

円の交付の事実があつたからとて、直ちに賃料についての合意が成立したものと認

めねばならぬものではない。それ故、原判決に所論のような違法はない。

次に所論は会社の使用人は同時に会社の代理人となり得ざるものという前提の下

に原判示を非難するが、この両資格は併存し得るものであることはいうまでもない。

それ故、原審の所論判示に違法はなく、論旨は理由なきものである。

同第五点。

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論旨は違憲をいうけれども、それは上告人が本件土地を転借ないし賃借したこと

を前提とするものであるが、原判決はこれらの事実を認めていないのである。それ

故違憲論は前提を欠き上告理由としては不適法であつて採用に由なきものである。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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