大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(オ)517 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士高橋正重の上告理由について。

原判決は、本件宅地の賃借権の譲渡につき賃貸人たる控訴人(被上告人)の承諾

を得ないでなされたもので、控訴人が譲渡人たる訴外人に対し右事由をもつて民法

六一二条により賃貸借解除の意思表示をし、右賃貸借は解除された事実を確定し、

被控訴人(上告人)の権利濫用の主張に対し賃貸借は本来当事者間の信頼関係を基

調とするもので、その基調たるべき当事者の変更を招来する賃借権の譲渡につき賃

貸人にこれが諾否の権を認めているものであることに鑑みると賃貸人が右譲渡の承

諾をしない一事を権利濫用として不当視することはできないし、また、被控訴人の

立証によるも承諾をしないことが不当と認められるような特別な事情のあることを

窺知できない旨判示している。されば、原判決の確定した前記事実関係の下におけ

る原判決の判示は正当であつて、所論のごとき違法は認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 野 毅

裁判官 入 江 俊 郎

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