大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(あ)1564 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鶴和夫の上告趣意第一点中判例違反をいう点は、引用の判例は民法二四六

条に関するものであつて、本件に適切でなく、その他の点は単なる法令違反、事実

誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(貴金属管理法一二条

三項一号但書及び昭和二五年五月一日大蔵省告示三〇二号と、同法一二条一項との

関係については、右大蔵省告示指定の各種金製品が自由処分を許されるのは、当該

金製品としての形態を保持する間に限らるべきであり、一たんその形態を失つて右

物品に該当しないものとなつたときは、直ちに同法一二条三項一号但書の適用を受

けないことになり、同条一項の制限を受けるに至るものと解すべきであつて、この

点に関する原審の判断は正当である。そして原審の是認した第一審判決は「被告人

A及び同Bは共謀の上……何等法定の除外事由なく、主務大臣の許可も受けないで

刀剣附属金具その他の金地金の加工品等を熔解して得た金地金合計約九百瓦を使用

しこれを大判模造品九枚に加工し」と判示しており、右事実認定はその挙示の証拠

により是認することができる。しからば、本件犯行は、刀剣附属金具その他の金地

金の加工品等を熔解して金地金を得た上、その金地金を用いて大判模造品をつくつ

たものであり、右所為は前記法律一二条一項の加工に該当するものと認めるを相当

とし、従つて同条項に違反するものとなることは明らかである。これと異る所論は

採るを得ない。)

同第二点は事実誤認、これを前提とする判例違反及び法令違反の主張であつて、

同四〇五条の上告理由に当らない。(論旨は、法律の不知を主張するに帰し、従つ

て所論の事由は犯意を阻却するものではない。それ故、犯意を阻却する場合に関す

る引用の判例は本件に適切でない。)

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被告人本人の上申書は事実誤認、量刑不当の主張であつて、同四〇五条の上告理

由に当らない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年一二月一三日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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