大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(あ)1754 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鶴田英夫の上告趣意第一点は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。そして、仮りにA港からB港への本件廻航が所論のご

とく関税法二条一号にいわゆる引き取りの準備行為であつて、その着手とすること

ができず従つて、原判決の同条号の解釈、適用が誤つているとしても、関税法一一

一条二項にとれば密輸入の予備をした者は密輸入の実行に着手してこれを遂げない

者と同じく同条一項の例によるものであるから、右の違法は判決に影響を及ぼすべ

き法令の違反があることに当るものといえない。されば、所論は刑訴四一一条一号

の職権発動事由としても採用できない。

同第二点、第三点は、原判決の判示に副わない事実関係(原判決は、判示第二の

所為を同第一の所為と別個の犯意をもつてなされた旨判示している。)を前提とす

る単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。同第四点

中判例違反をいう点は、所論判例は本件に適切でないから、その前提を欠くもので

あり、その余は、単なる法令違反の主張であつて、同条の上告理由に当らない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年一二月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 町 毅

裁判官 入 江 俊 郎

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