大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(あ)2061 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人鍛治利一、同米田恒治、同笠置省三の上告趣意第一点は法令違

反及び判例違反をいうが、記録に徴すれば、原判決の援用した第一審判決証拠説明

中、被告人A関係として「……の各供述調書抄本または謄本」と記載されているの

は、供述調書、供述調書の抄本または供述調書の謄本の三者を挙げたものであるこ

とが認められるのであつて、右記載を、供述調書の抄本または供述調書の謄本の二

者のみを挙げたものであるとして判例違反を主張する所論は前提を欠くものである

のみならず、被告人Aの本件犯罪事実の認定については、同人の供述調書のほか、

補強証拠の存することは、上記第一審判決の証拠説明の摘示により明らかであつて、

原判決には所論の違法は認められず、また引用の判例に違反する点もない。

同第三点は、法令違反及び判例違反をいうが、記録と照合すれば、所論の証拠説

明の各証拠については、それが何人の供述調書、供述調書の抄本、供述調書の謄本

であるか、またどの事実がどの証拠によつて認定されたものであるかを明らかにす

ることができるのであるから、右証拠説明が所論の非難するように証拠の特定を欠

き、または択一的不確定な方法による証拠の摘示であるとは認められない。それ故、

原判決には所論の違法はなく、引用の判例に反する判断をした点もない。

同第二点、第四点及び同弁護人らの上申書は、単なる訴訟法違反、量刑不当の主

張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(所論の証拠説明が証拠の特定を

欠くものでないことは、上記第三点に対する説示中に述べたとおりであつて、その

ような場合が、刑訴三三五条一項違反でないことは当裁判所の判例とするところで

ある。―昭和二五年(あ)一〇六八号、同年九月一九日第三小法廷判決、集四巻九

号一六九五頁、昭和二五年(れ)九八一号同二六年七月二四日第三小法廷判決、集

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五巻八号一六〇九頁等)。

被告人Bの弁護人高橋英吉、同秋山邦夫の上告趣意は違憲をいうが、その実質は

量刑不当の主張であつて、同四〇五条の上告理由に当らない(所論のような場合が、

憲法三七条一項違反でないことは、当裁判所の判例とするところである。―昭和二

二年(れ)四八号、同二三年五月二六日大法廷判決、集二巻五号五一一頁)。

よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三一年一二月一三日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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