最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)1021 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士田中喜一の上告理由について。
記録によつて認め得られる本件訴訟の経過に徴すれば、上告人は原審第一回口頭
弁論において、所論抗弁事実を新に陳述しこれを立証すべく所論人証を申請したと
ころ、原審は該申請を採用しないで結審したことが明らかである。しかし、原判決
はその判文の示すとおり、その挙示の証拠によつて、右抗弁事実と相容れない事実、
すなわち所論売買契約は合意の上解除され、これによつて上告人から被上告人に返
還すべき判示内金等につき、判示準消費貸借契約が成立したことを認定しているの
であるから、原審としては所論新抗弁の如きはもはや採用の余地なく、従つてこれ
を立証すべく申請された人証の如きも必要ないものと判断し弁論を終結したものと
認むべきであつて、しかく措置することもとより当然の次第と云わざるを得ない。
さすれば原判決には所論の違法ありというを得ないから、所論は採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
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