大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)1083 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人弁護士亀井正男の上告理由第一点について。

原判決が、所論乙号証並びに証言および被控訴本人の供述等によつて、所論摘示

の(1)ないし(3)の事実を認定したことは、所論のとおりである。しかしなが

ら、原判決挙示の右証拠をもつてしては、訴外Dが、昭和二〇年三月頃Eに対し適

当な人に家賃一ケ月金五〇円位で貸与し呉れるよう依託した事実認定を肯認するこ

とはできない。果たして然らば、原判決は、右の点において証拠に基かないで事実

を認定した違法があつて、その違法は、原判決に影響を及ぼすこと明らかであるか

ら、爾余の点に論及するまでもなく、論旨は、その理由があつて、原判決は、破棄

を免れない。

同第二点について。

原判決が、本件家屋の所有者に関し所論摘録のとおり判示したことは、所論のと

おりである。そして、その判示によれば、原判決は、成立に争のない甲一号証によ

つて家屋台帳の記載上本件家屋は昭和一九年四月控訴人(上告人)がこれを建築所

有しているようになつている事実を認めうることを認容しながら、乙第三号証によ

れば、右家屋の新築申告が昭和二一年一〇月になされたもので、右建築時期との間

に相当の隔りがあるてとが認められるので甲一号証を以て直ちに前記認定(所有者

がDであること)を覆すことはできず他に右認定を覆すに足る証拠はないと説示し

ている。しかし、家屋台帳の記載上所有者が控訴人(上告人)となつている以上反

証なき限りその記載が真実であると推定すべきものであつて、所論のごとく昭和一

九年四月建築したものが昭和二一年一〇月にその新築申告がなされその間相当の隔

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りがあるというだけのことで右の推定を覆すに足りる反証とすることはできない。

然らば、論旨は、この点においてもその理由があつて、原判決は、破棄を免れない。

よつて、爾余の論点について判断を省略し、民訴四〇七条に従い、裁判官全員一

致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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