大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)1101 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

原判決は、控訴人(上告人)の提出援用にかかる全証拠によるも被控訴人(被上

告人)Bが本件事故に際し前方注視義務を怠つた事実を認め難き旨、並びに、同被

控訴人が本件電車の運転にあたり三〇粁以上の高速を出し法定速度に違反したとの

控訴人の主張に副う甲第二十九号証の一、二は、当審における証人Dの証言により

真正の成立を認めうる乙第七号証、同証言、成立に争のない甲第五十号証の一、二、

前記被控訴人B本人の各訊問の結果に対比して措信し難く、他に右の事実を認める

に足るべき証拠はない旨、および、同被控訴人が本件事故に際し警音機をならさな

かつた旨の控訴人の主張については、成立に争のない甲第四号証の三は、単なる被

疑事実を記載しあるに止り右の事実を肯認する資料とはなし難く、他に該事実を肯

認するに足るべき証拠もない旨判示し、さらに、原判決は、その他同被控訴人にお

いて本件事故に関し正規運転、正規停車準備、正規の急停車処置を講じなかった旨

の控訴人の主張に副う証拠は措信し難い旨判示している。そして、右証拠並びに証

拠判断によれば、右の各判示は、これを首肯することができるのである。そして、

右各判示にしてこれを首肯しうる以上、爾余の点について判断をなすまでもなく、

控訴人の本訴請求は全部失当としてこれを棄却すべき旨の原判決の判断もこれを正

当として是認せざるを得ない。果して然らば、論旨は、いずれも、原判決の結論に

影響を及ばさない法令違背を主張するか、又は、原審の裁量に属する証拠の取捨、

判断を非難するに帰し、すべて、採ることができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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