最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)200 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告人ら代理人弁護士杉原辨太郎の上告理由について。
原判決はその判文の示すとおり、Dは上告人Aに対し昭和二元年六月三〇日頃、
所論離家の修理を依頼するとともに、Aとの間に、右修理に要する木材は所論本家
を取毀つた古材を以て充て本家の敷地はこれを空地とする旨の契約が成立したとこ
ろ、Aは約旨に反し所論本家の一少部分を取毀つたのみで大部分は取毀つことなく、
従つて、その古材を以て離家を修理する約束も履行せず、却つて、所論本家を離家
とともに自己の出捐を以て勝手に修理してこれに居住するものであると認定した上、
上告人ら主張の判示占有権原もこれを是認できないが故に、上告人らの所論本家の
占有は結局不法占有に帰するものとし、従つて、上告人らが所論本家の修理に所論
の必要費および有益費を支出したとしても、右は上告人らの不法占有中に前示Dの
承諾ないままに為されたものであるから、右費用の故を以て所論本家を留置し得べ
き限りではないと断定したものであつて、原判決の右判断は当裁判所も正当として
是認する。所論は、その独自の見方を以つて前記D、A間の契約を解釈し、上告人
らに所論本家の使用権限あるものとの前提に立つものであつて、畢竟原審がその専
権に基いて為した前記事実認定を非難するものでしかない。それ故、論旨は採るを
得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
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裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
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