最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)338 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士清水繁一の上告理由第一点について。
しかし、原判決は、一方において被控訴人(被上告人)が控訴人(上告人)に対
して本件敷地の無償使用を許したのは、控訴人が請負工事を施行するため必要な飯
場等の施設の敷地の用に供するためであつたことは当事者者間に争がない旨判示す
るとともに、他方において乙第一号証によれば、控訴人は請負代金の支払を受ける
まで請負契約の目的物件の引渡を拒むことができる旨の特約が存することが認めら
れるが、該特約は建築物の直接の敷地ではなく、唯工事施行の便宜上これに隣接す
る本件敷地の返還まで拒みうることを定めたものとは解することができない旨判示
しているのである。されば、原判決は、本件敷地の使用は、所論のごとく建築物を
被上告人に引渡すまで管理せしめる不確定期限附使用貸借であつて、未だその期限
が到来しない旨の主張を排斥したものであること自ら明らかである。それ故、所論
は、採るを得ない。
同第二点について。
しかし、同時履行に関する原判決の判断は正当であるばかりでなく、前点で説明
したとおり、原判決は所論主張を排斥したものであること明らかであるから、該主
張を前提とする本論旨も採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔
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裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
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