大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)638 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士中野初太郎の上告理由について。

原審における昭和三〇年九月五日の口頭弁論調書によれば、同期日において被控

訴人(被上告人、原告)代理人は、裁判長の問に対し、本件は売掛代金の請求であ

つて、約束手形金の請求ではないと答弁したことは、所論のとおりである。しかし、

右調書によれば、同日同代理人は、答弁書に基づき控訴棄却の判決を求め、さらに、

事実関係につき第一審判決事実摘示のとおり陳述し、本件では本件手形金と履行期

の翌日から完済する迄の商法に定める年六分の割合による遅延損害金並びに返還を

受ける約束に基づくドラム罐三本の引渡と引渡すことできないときの履行に代る損

害金の支払を求めたものであることが明白である。されば、前記被控訴人代理人の

答弁は単なる法律上の見解を述べたに過ぎないものと解するのが相当である。従つ

て、原判決には、所論の違法を認めることができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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