大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)703 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は、被告(被上告人)が主張しなかつた時効を判決の資料としたことを違法

だと主張するが、被告は、原判決が引用している第一審判決事実摘示被告の答弁(

二)において明示されているとおり、第一審以来消滅時効を援用しているのである

から、原判決には所論の違法はない。また上告人が乙第一号証を提出したからとい

つて被上告人が本件債務を承認したことにならぬという原判決の説示は明確であつ

て所論のようにあいまいであるとは認められないから、この点の論旨は採ることを

えない。次に所論の調停中の一万円の意思表示については、原判決は「所論調停期

日において被控訴人は本件債務を否認したが、調停委員から円満解決のため一万円

位出してはどうかという勧告があつたのでこれに応ずべき旨答えたに過ぎないこと

が認められるだけで、右応答を以て到底債務の承認とは考えられず」と判示してお

り、この判断は相当であるから、この点の論旨も採ることをえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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