大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)840 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

しかし、原判決は、本件必要費の償還請求は無効の委任契約を前提とするから失

当であるといつているのであつて、所論のごとく本訴請求を報酬金の請求であると

はいつていない。そして、原判決挙示の甲第一、二号証と弁論の全趣旨を綜合する

と控訴人(上告人)は、報酬を得る目的をもつて本件委任契約をした旨の原判決の

認定を肯認することができる。また、かような事実関係の下においては、本件委任

契約は、弁護士法七二条違反を内容とする無効のものである旨の原判決の判断もこ

れを正当として是認することができる。従つて、本訴請求を右無効な委任契約を前

提とするものでいるとしてこれを排斥した原判決は正当であるといわなければなら

ない。されば、所論は、結局原審が適法になした事実の認定ないし証拠の取捨を争

うか、又は、原判示に副わない事項を前提とする違憲、違法を主張するに帰し、上

告適法の理由として採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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