大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)851 判決

主 文

本件上告を棄却する

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士勅使河原直三郎の上告理由第一点について。

しかし、原判決は、控訴人ら.(被上告人ら)の本件抵当債権は、当初の借入金

五万五千円に対するその主張の経過を辿つた年六割の利息金の合計を準消費貸借の

目的とした旧利息制限法に違反する無効の債権であるとの第一次の主張に基き、挙

示の証拠を綜合して、本件抵当債権が、元金五万五千円を基本として控訴人らと被

控訴人との間に控訴人ら主張のとおりの経過において内入弁済および利息計算期間

等を認め合い年六割の計算で順次控訴人ら主張(一)ないし(六)の準消費貸借契

約を締結し、本件不動産に対し抵当権設定登記を経由したものであることを認定し、

右契約は旧利息制限法所定の利率年一割をもつて計算する範囲内においてのみ有効

であるとし、かつ、控訴人らおよび被控訴人において計算の基礎、方法をその都度

承認しているのに鑑みこれに従つて判示のとおり計算し、結局本件債権は、金七、

六二四円の限度内において有効である旨判示したものであつて、その判示結論は、

結局これを是認するに難くはないのである。されば、原判決には、所論のごとく弁

論主義に反し又は理由不備の不法あるとはいえない。

同第二点について。

しかし、原判決の判示している所論弁済および代物弁済の各充当は、当事者の合

意によるものであつて、法定充当によつたものでないことは判文上明白であるから、

所論の不法は認められない。

同第三点について。

しかし、所論の点に関し控訴人ら(被上告人ら)は、原審において、本件準消費

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貸借に改めた経緯の(四)として残金三万八千円を準消費貸借(乙第二号証)に改

める際控訴人らが代物弁済したとしてその所有田地二反歩分三万円と他に二千円と

を差し引いた旨主張しているから、原判決には所論の不法を認めることはできない。

同第四点について。

所論甲号証には、年月日、作成者、宛名等の記載を欠くことは所論のとおりであ

る。しかし、かかる記載を欠く書面でも全然証拠力がないといえないこというまで

もない。そして、原判決は、所論甲号証のほか挙示の証拠を綜合して判示認定をし

たものであること判文上明白であるから、所論の不法は存しない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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