大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)956 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人平田半の上告理由第一点について。

しかし所論Dに、被上告人を代理して本件山林の立木を、所論債務の代物弁済と

して上告人らに供する権限があつたからといつて、当然に同人が本件山林について

も、上告人らに所有権移転をなす代理権を有していたものと認定しなければならな

いものではない。このことは、同人の前示代理権に、所論立木所有権保存登記費用

六八、二四〇円負担の特約をする権限を含んでいたと解しても同様というべきであ

る。

所論はひつきよう原審の専権に属する証拠の取捨判断および事実認定の非難に帰

するから採るを得ない。

同第二点について。

しかし所論競売費用一四三、八〇〇円に関する原判示は、上告人らが「本件山林

の所有権移転登記は被上告人の代理人Dらが上告人らに対し強制競売事件の費用三

一八、〇〇〇円余を負担することを約し、その支払を担保する意味でなされたもの

である」旨主張したのに対し、その主張事実の肯認できないことの理由の一つとし

て偶々判示したに止どまり、右金員受領の一事から本件山林の移転登記を失当と判

断したものでないことは判文の前後を照合しておのずから明らかであるから、この

点に関する所論は前提を欠き、また表見代理に関する所論についての原審の認定、

判示は挙示の証拠に照し肯認し得るところであつて、所論は原判示に副わない事実

もしくは独自の見解に基づいて原審の上記正当な認定判断を非難するに帰するから

これまた採るを得ない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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