大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)972 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人代理人水田謙一の上告理由第一について。

原判決は所論のように、一旦抵当権の設定がなされた後、それが抵当権設定の予

約に変更されたと認定しているのではなく、当初から被上告銀行と訴外Dとの間に

抵当権設定の予約がなされたものであることを認定した趣旨であることは判文上明

らかである。そして右認定はその挙示の証拠によりこれを是認することができる。

所論は結局原判示に副わない事実を前提として原判決の違法をいうものであつて、

採るを得ない。

同第二点について。

所論はひつきよう原審が乙第一号証につきした証拠の取捨、事実の認定を争うに

帰する。しかし、原判示は訴外D個人と被上告銀行との間に抵当権設定の予約のな

されたことを認定しており、右認定はその挙示の証拠によりこれを是認できる。そ

して既に右認定のなされている以上、原判決には所論のような不明確の点は認めら

れない。それ故所論は採るを得ない。

同第三点、第四点について。

原審の認定した事実関係の下においては、被上告銀行として担保喪失類似の事態

を招いたことにつき懈怠の責がないとした原判示は、これを是認することができる。

引用の判例は本件に適切でない。それ故所論は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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