大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)1220 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

しかしながら、転貸借契約について賃貸人の承諾のない場合は、それが解除権発

生の原因となつても、そのこと自体で契約の無効を来たすものでないばかりでなく、

所論にいわゆる売渡の相手方となるべき当該農地について耕作の業務を営む転借人

たる小作農とは賃貸人の承諾を得ている転借人と解すべき何らの根拠もないから原

判決には所論の違法はなく、この点に関する論旨は採用できない。また原判決は、

本件転貸借は所論のように戦争による手不足が主たる理由となつたものとは認定し

ていないのであつて(原判文の趣旨によれば上告人の子Dが警察官となつているこ

とがその大半の理由を成すものと認定しているのである)、従つて原判決には所論

の違法あるものというを得ない。この点に関する論旨はひつきょう原審の専権に属

する証拠判断に対する非難に帰し採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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