大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)283 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人塚本助次郎の上告理由第一点について。

所論は弁護士法違反をいうが、訴外Dは、本件訴訟において、当事者でも訴訟代

理人でもないのであつて、仮に右Dの行為が弁護士法七三条に違反するものであつ

たとしても、そのことは何ら原判決に影響のある事柄ではない。その余の所論は原

審の認定に副わない事実関係を前提として法令違反をいうに帰する。それ故所論は

採るを得ない。(原審は、所論催告が、たとい催告をしても、必ずそのまま放擲す

るに違いないと考え、履行のできない窮状を奇貨とし闇打的に為されたものである

旨は、何ら認定していないのである。)

同第二点、第三点、第四点について。

所論の点に関する原審の判断は、挙示の証拠関係にてらし、これを是認すること

ができる。論旨はひつきよう原判示に副わない事実関係を前提として原判決の違法

をいうものであり、引用の判例はいずれも事案を異にし、本件に適切でない。され

ば所論は採るを得ない。

上告人代理人重山徳好 同塚本助次郎の上告理由第一点について。

「建物保護ニ関スル法律」は、賃貸人以外の第三者に対する借地権の対抗力を規

定したもので、賃借権の譲渡性を認めたものではないから、賃借権譲渡の場合の賃

貸人に対する関係においては民法六一二条の規定が当然適用せらるべきものであつ

て、この点に関する原判示は正当であり、所論は採るを得ない。

同第二点について。

原審は本件賃貸借契約解除につき催告のなされていることを認定しているのであ

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る。それ故、原審は、所論のように絶対的定期行為を認めたものということはでき

ない。また原審の認定した事実関係の下においては、所論の解除が信義則に反する

ものとは認められない、されば所論は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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