最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)473 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人上野開治の上告理由第一点について。
しかし所論の点に関し、原審(及びその引用する第一審判決)は、訴外Dは、上
告人を代理して本件売買契約を締結したものであること及び被上告人は右訴外人に
上告人を代理する権限があると信じていた旨それぞれ判示していることが明らかで
あるから、所論判断遺脱の違法は認められない。また甲一号証(売渡証書)には、
右訴外人は単に保証人として署名しているに過ぎないこと所論のとおりではあるが、
原審はそれ以外の多数の証拠によつて右の如き判断をなすに至つたものであること
を看取し得るから(原審の右認定、判断は挙示の証拠に照し是認し得る)論旨は採
るを得ない。
同第二点について。
しかし原審は所論指摘の事実のほか、なお判示の如き数々の事実を確定し、かか
る事実関係の下においては、被上告人には訴外Dに上告人を代理して本件売買契約
を締結する権限があると信ずべき正当の理由があつたものと認むべきである旨判示
しているのであつて(原判決及びその引用せる第一審判決参照)右判断は挙示の証
拠に照し是認し得るから原判決には法令違反等所論の違法は認められない。
論旨はひつきよう原審がその裁量権の範囲内で適法にした証拠の取捨判断および
事実認定を非難するか、独自の見解に立つて原判決に所論の違法ある如く主張する
に帰するから採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
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最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高 木 常 七
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
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