大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)613 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人Aの上告理由。

所論は二点において違憲をいうが、その第一点の実質は訴外Dに対する債務名義

に基いて上告人賃借中の家屋に対してなされた本件強制執行は違法であるという主

張に帰する。しかしながら、本訴は民訴五四九条による第三者異議の訴であるから、

強制執行手続の終了後はこれを許容されないものなるところ、原判決の引用した第

一審判決はその挙示する証拠資料によつて、本件強制執行は本訴提起前既に完了し

たものと認定し、本訴請求を排斥したのであつて、右認定事実に照せば原審の判断

は正当であり、その間に何ら違法のかどあるを認められない。次に違憲をいう第二

点の実質は、原審が口頭弁論を開かないで上告人の病気欠席を知りながら判決をし

たのは違法であるという主張に帰する。しかし、記録によれば原審は昭和三二年三

月一八日の期日に原判決の基本となる口頭弁論を開いている事実が明らかであるか

ら、原審が口頭弁論を開かなかつたという非難は当らない。尤も右期日前である同

年四月一五日上告人はその一両日前から発熱し頭痛甚しきに付右期日に出頭し難い

ときは期日の変更を求むとの趣旨の期日変更申請書を提出したまま(その疏明がな

い)右弁論期日に欠席したことは記録上明らかであるが、上告人が右病気欠席の点

を原審に明らかにする方法をとつた事跡は記録によつてこれを認め難いから、原審

が上告人の病気欠席を知りながら原判決をしたとの非難もまた当らない。以上を要

するに所論はいずれも採用し難い。

その他の論旨は原判決に影響を及ぼすこと明らかな法令の違背を主張するものと

認められない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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