大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)683 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士田中秀次の上告理由1、2、3について。

しかし、原判決は、その挙示の証拠、並びに、これによつて認められる原判示の

諸般の事実に基き、結局訴外D、被控訴会社(上告会社)およびEの三者間に、訴

外Dの有する買戻権が適法に行使された場合Eと被控訴会社との間の本件賃貸借は

当然に終了し被控訴会社においてもDのため原状回復に協力すべき責任を負担すべ

き特段の合意が成立した旨の事実認定をした趣旨と解することがきる。そして、そ

の認定は、その挙証並びにこれによつて認められる原判示の諸般の事実に照しこれ

を首肯するに難くはない。果たして然らば、訴外Dの買戻権が適法に行使された以

上上告会社は右賃貸借の存在を主張し得ないとした原審の判断は正当であつて、原

判示のような事実関係の下では、上告会社(被控訴会社)は被上告人(控訴人)に

対し所論登記の欠缺を主張するについて正当の利益を有する第三者に該当するもの

とは云えず、また、原判決の趣旨が前示のとおりとすれば上告会社は民法五四五条

一項本文但書による第三者として保護さるべき限りでもない。それ故、所論は、採

ることができないない。

同4について。

しかし、本件買戻の特約の内容、就中買戻期間に関する原判示の事実認定、並び

に、訴外Dが昭和二六年五月中原判示のごとく売買解除の意思表示をした旨の事実

認定は、その挙示の証拠によりこれを是認することができる。されば、所論は、結

局原審の適法になした事実の認定、証拠の取捨、判断を非難し、原審の認定に副わ

ない事実関係を前提とする法令違背を主張するに帰し、採用することはできない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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