大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)825 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人石井政一の上告理由について。

しかし原審は、上告人の所論防禦方法は、上告人が、第一審以来主張してきた防

禦方法を撤回して、被上告人に対抗するための新たな防禦方法を提出するものと判

断したものであることは、判文の趣旨に徴し明らかである。そして原審のこのよう

な判断は、本件口頭弁論の経過からみて首肯できないわけのものではない。

果して然らば、それが原判決のいうが如く自白の取消になるかどうかは別として、

いたずらに訴訟の遅延を来たすものであり、且つ最終の口頭弁論期日においてこれ

をなすが如きは、ひつきよう上告人の重大な過失によるものであるとし、撤回を許

さなかつたのは相当として肯認できないわけのものでもない。

されば所論法令違反の主張は理由があるとは認めがたく、論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!