大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)975 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告指定代理人田辺明男、同長野直臣の上告理由第一点、第二点について。

しかし、本件(イ)、(ロ)、(ハ)の土地は、もと公簿上宅地九〇坪の一筆の

土地として登記されたものを昭和一七年三月頃公課の軽減をはかるためこれを二分

し、うち一二坪を宅地とし、残部を畑二畝一八歩と地目を変更の上分割登記をした

が土地の現状には変更がなかつた旨その他原判示争のない事実と控訴人本人の原審

における訊問の結果その他原判決挙示の証拠を綜合すれば、原判示の整地、準備、

竣工、並びに、前示九〇坪の土地のうち控訴人において(ハ)の土地以外の分を公

簿上畑二畝一八歩の一筆としていたのを農地委員会書記Dが擅に控訴人名義の税務

署長宛土地分割届一通を偽造してこれを(イ)(ロ)の二筆に分筆し控訴人新築家

屋の敷地以外を(イ)の土地として分離したものであることその他の原判示の事実

認定を肯認することができないわけのものでもない。従つて、この点に関し所論第

二点のごとき証拠上その他の理由に不備ありとなすを得ない。そして、原判決の確

定した右の事実関係の下においては、原判決が本件土地を自作農創設特別措置法に

いわゆる農地に非ずして宅地であると認めるを相当とするのであつて、当審におけ

る、控訴人本人の供述のごとく、その一部を一時的菜園として他人に使用せしめて

いたことは、右断定を妨げるものではない旨の判示判断を正当として是認すること

ができる。されば、論旨第一、二点は採るを得ない。

同第三点について。

しかし、原判決の認定したような本件土地の沿革、形状、使用状況、(ロ)(ハ)

の土地との関連性及び所有者の企図並びにその公示性、ことに農地委員会書記Dが

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原判示のごとく有罪の判決を受けたこと、被控訴人Eも原判示のごとく有罪判決を

受け原判示のごとく拒絶されたことがあること、右農地委員会の農地部員として関

係した者のうちにも控訴人が本件土地に帰来し家を建てようとしていること及び被

控訴人先代がその使用中の本件土地を控訴人に返還したことを知つている者がある

こと等の事実関係の下においては、原判決が、本件買収計画並びにこれに基く買収

処分及び売渡処分には明白重大な瑕疵あるとして無効としたのは正当であるといわ

なければならない。それ故、原判決には所論の違法は認められない。

同第四点について。

しかし、原判決は、買収処分完了後の行為をもつてその以前の事情を推認しうる

一資料としただけで、所論のごとく買収処分完了後の行為をもつて処分の適否を判

断しているわけではない。それ故、所論は、採るを得ない。

よつて、民訴三九六条、三八四条一項、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一

致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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