大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(し)62 決定

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主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

本件特別抗告の理由は、別紙特別抗告申立書、同理由補充書記載のとおりである。

本件抗告理由第一点は、原決定は、憲法二三条に違背し学問の自由を侵害している

というが、結局本件の場合学問研究の自由を侵してまで令状の裁判及これが執行をす

る明白且つさしせまつた心要がないこと明瞭であるというに帰する。しかし、原決定

は、「仮りにA教育研究所が憲法的保障を受けるに相応しい学問的研究機関であると

しても学問の自由にも自ら一定の内在的制限があり、公共の福祉によつて制限される

場合のあり得ることは当然である」と判示して、仮定的蛇足的に学問の自由に触れて

いるだけで、所論のごとく学問研究の自由を一般的に公共の福祉の名のみで制限し得

るなどとは少しもいつていない。却つて原決定は、「犯罪捜査に必要な捜索差押も、

これによつて学問的研究機関の公正自由な学究を阻害しないよう十分の考慮を払うべ

きはもち論である」といつているのである。されば、本論旨は、結局原決定の判示に

副わないものであるか又は単なる法令違反の主張に帰し、採るを得ない。

同第二点は、原決定は、憲法三五条等の解釈を誤つたものである旨いうが、その実

質は、原決定が申立人の申立理由第一、第二の点をしりぞけて、その理由として、A

教育研究所がB本部から独立していないこと、かりにBと直接関係がないとしても押

収すべき物の存在について状況的疏明があれば押収捜索の裁判をなしうる旨判示した

のに対し理由不備等の単なる訴訟法違反を主張するに過ぎないものであり、同第三点

は、原決定が、A教育研究所はB本部の構成単位の一であるとし、かりに同研究所が

法人格のない社団又は財団であつても特別の明文がない以上刑訴法上の申立をなし得

ないものとしているのは、事実を誤認し、法令の適用を誤つているというに帰するも

のであつて、いずれも、特別抗告適法の理由に当らない。

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よつて、刑訴四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文のと

おり決定する。

昭和三三年一二月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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