大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(し)72 決定

主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

本件特別抗告理由の要旨は、被告人Aに対する公職選挙法違反被告事件について、

その公判期日は昭和三三年九月二六日午前一〇時と指定せられていたのであるが、

被告人は同年八月二八日以降病気のため入院治療中で右公判期日には出頭不可能で

あるから、申立人等は同年九月一九日その旨の医師の診断書を添付して公判期日変

更申請をしたところ、原審たる千葉地方裁判所は、右同日右変更申請を却下すると

ともに、被告人に対しては刑訴二八五条二項により前記公判期日に出頭しないこと

を許可する旨の決定をなし、その謄本は同月二二日申立人等に送達せられたのであ

るが、右公判期日には被告人から金員の供与を受けたとされているB外二名の者が

証人として尋問されることになつているので、被告人の出頭がその権利保護のため

重要であるのみでなく、前記診断書の示すとおり被告人は右公判期日に事実上出頭

不可能なのであるから、かかる場合に申立人等の公判期日変更申請を許容しないで

これを却下し刑訴二八五条二項による不出頭を許可した原決定は、憲法三七条二項

の保障する被告人の証人審問権を故なく奪うものであつて違憲のものであるから、

原決定の取消を求めるため本件特別抗告に及ぶというのである。

しかし、公判期日変更申請却下の決定並びに刑訴二八五条二項による公判期日不

出頭許可の決定は、いずれも訴訟手続に関し判決前にした決定であつて、かかる決

定は、刑訴四三三条一項にいう「この法律により不服を申し立てることができない

決定」に当らないと解するを相当とする。それ故、本件特別抗告は、不適法たるを

免れない。

よつて、刑訴四三四条、四二六条一項により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

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昭和三三年一〇月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 高 木 常 七

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