大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)100 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人及び上告代理人弁護士松尾菊太郎、同松永芳市、同横田隼雄、同三野昌治、

同佐々木正泰の上告理由第一点、第二点、第四点について。

しかし、所論原判決の判断、すなわち要するに、憲法七九条二項所定の最高裁判

所裁判官国民審査は、一種の解職投票制度であつて、裁判官任命の適否を審査決定

する制度でない旨、並びに、国民審査における問題は、罷免を可とするとの投票が

多数をしめるかどうかであつて、同審査において審査人に対して求められる投票は

罷免を可とする投票か可とする投票でない投票かのいずれかであつて、国民審査法

二九条、三二条、三三条などに「罷免を可としない投票」とは後者を意味し、後者

の投票をしようとする審査人は、なんらの記入をしないで投票することにしたのは、

国民審査の憲法上の性質に合致する旨の各判断は、いずれも正当であつて、これと

同一趣旨である所論引用の当裁判所大法廷判例(民事判例集六巻二号一二二頁以下)

を変更すべきものとは認められない。それ故、論旨は採用できない。

同第三点について。

しかし、所論摘録の原判決の請求の原因の2についての判断は正当である。従つ

て、所論違憲の主張はその前提を欠き採ることができない。

同第五点について。

原告主張の無効の理由(請求の原因六の5)についての原判決の判断も結局これ

を正当として是認することができる。そして、投票の無効原因たる事実については、

無効を主張する者において立証すべきこと論をまたないから、原判決には所論の違

法を認めることはできない。

- 1 -

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!